ブロードウェイ・ミュージカル『ウェスト・サイド・ストー
photo: Jun Wajda

来日キャスト取材メモ

いよいよ1ヶ月後に公演を控えるブロードウェイ・ミュージカル 「ウエスト・サイド・ストーリー」。 公演を間近に控え、ダブルキャストで主演するトニー役のチャド・ヒリガスさんと マリア役のアリ・エウォルトさんが来日。 半世紀の時を経てもなお、ファンを引きつける「ウエスト・サイド・ストーリー」 の魅力と、今回の見所について話を伺った。

Q:チャドさんは初来日だそうですね。日本の印象はいかがですか?

チャド・ヒリガス(トニー役・以下C):ずっと日本に来てみたいと思っていたので、 プロモーションに呼んで頂けてとても嬉しかったし、 日本で公演をやるのが本当に楽しみです。

Q:アリさんは東京ディズニーシーで働いていた事があると伺いましたが?

アリ・エウォルト(マリア役・以下A):4年前にディズニーシーで 「アンコール!」というショーに出演していました。 また日本に来ることができて嬉しいです。

Q:「ウエスト・サイド・ストーリー」は、二人にとってどういう存在ですか?

C:9歳の頃に映画で「ウエスト・サイド・ストーリー」を観て以来、 ずっとトニーに憧れていたので、その役を演じることができて本当に嬉しいです。

A:私も、子供の頃から「ウエスト・サイド・ストーリー」の映画を観て育って、 ナタリー・ウッドが大好きでした。 初めて舞台を見たのは10歳の頃だったんですが、マリアは私にとって憧れの存在でした。

Q:それぞれの役の性格について、どのような印象をお持ちですか?

C:トニーはいつも新しい冒険を夢見ている人。 だからマリアと出会った瞬間、“ずっと待ち望んでいたのはこの人だ”と 分かったんだと思います。僕にもトニーと似ているところがありますよ。

A:マリアはわずか16歳でプエルトリコからアメリカに移り住んだんですが、 その新しい土地での初めてのダンスパーティーにものすごくワクワクしてたでしょうね! 最初は子供っぽかったマリアだけど、初めて本気の恋を経験して、 そして大切な人を失い… 物語が進むにつれてどんどん精神的に大人へと成長していくんですよ!

Q:好きな曲やシーンを教えて頂けますか?

C:僕が好きなのは「ワンハンド・ワンハート」です。 ブライダルショップのシーンで、最初は結婚式の真似をしてふざけあっていた二人が、 歌っているうちに段々とお互いの本気な気持ちに気付き、 絆が深まっていくところが好きなんです。

A:私は「トゥナイト」のシーンが好きです。 バルコニーで歌うので、客席が広く見渡せてとても気持ち良いんです。 でも、高いところで歌うので緊張感もあります。

Q:「ウエスト・サイド・ストーリー」は初演から50年が過ぎました。 ミュージカルでは古典の部類に入ると思いますが、 いまだに人気がある理由は何だと思いますか。

C:僕はラブストーリーとしての魅力だと思います。 「ロミオとジュリエット」の叶わぬ恋物語が根底にあって、 一目惚れをしたことがある人はその切ない気持ちを思い出すだろうし、 その経験がない人はそんな出会いに憧れるからじゃないかな。

A:レナード・バーンスタインの美しい音楽と、 ジェローム・ロビンスの革新的なダンスの魅力も理由の1つだと思うわ!
身体だけで苛立っている様子や怒りなど、 あらゆる感情を表現する彼の振り付けは本当にすごいです。

Q:ここをぜひ見て欲しいというポイントは?

C:みんなが知ってる通りのストーリーだけど、 このプロダクションは見る人の期待を裏切りません。 トニーとマリアが本気で恋に落ちていく様子を絶対に生で見て欲しい!

A:ダンスもセットも音響も、全部が素晴らしいですね(笑)。 すべてが素晴らしいので、どこと言うのは難しいです。

Q:最後に公演を待ち望んでいる日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

C:出演者のクオリティがとても高く、 ブロードウェイのレベルに引けを取らない素晴らしいのプロダクションです。 ぜひ会場に足を運んで下さい!

A:ぜひ観に来てください。全力で頑張ります!!

今回の「ウエスト・サイド・ストーリー」は、キャスト選考に多くの時間を費やした。 来日したマリア役のアリはオーディションで1ヶ月にわたる審査を通過して役を射止めたが、 チャドは偶然に自身のサイトを見たカンパニー側から 逆にオーディションに誘われるという異例のパターン。 大慌てでニューヨークに飛び、無事オーディションに受かってトニー役を得た。

「ウエスト・サイド・ストーリー」は、音楽とダンス、 そして演出が非常に高いレベルで完成された演目だ。 そのため、歌やダンスなど、どこか1点が優れているだけの役者では務まらず、 すべての基本となる演技力を備え、かつ高度な歌もダンスもこなせるという 非常に難しい人選を余儀なくされる。

チャドはオペラ出身だが、それでもバーンスタインの曲を歌うのは難しいという。 どの曲も歌うのが難しいが、「特に「サムシングズ・カミング」は、 ジャズの要素が入っているため、とても難しい」と漏らす。 アリも「2幕の終わりのアニタと歌うシーンは、感情移入しながら歌うのがとても難しい。 特に重要なシーンでもあるからすごく疲れる」という。 ワンシーンごとに自分の持つすべての力を求められるのだ。

難航したオーディションの結果であろう、 今回のカンパニーはキャスト内からもお互いを褒める声が上がる。 アリは「特にアニタ役のオネイカ・フィリップスの踊りは情熱的で、 いつもリハーサルで見入ってしまいます。 リハーサルはもう40回以上観ていますが、何度観ても刺激的で、とても楽しいです」 と笑う。 またチャドも「ミュージカル俳優だけでなく、 元プリンシパル、(自分のような)オペラ歌手など、 バックグラウンドは違うけどいろいろな分野のスペシャリストが集まっているので、 お互いに影響を与えあっていておもしろいです。 ブロードウェイに負けないクオリティであることを保証します」と胸を張った。

"WEST SIDE STORY is presented through special arrangement with Music Theatre International (MTI), 421 West 54th Street, New York, New York 10019 - tel.: (212) 541-4684, www.mtishows.com"